癒しの森勉強会

本日の山中湖:最低14℃、最高27℃、晴れ
富士癒しの森研究所では、今年から10年計画で地域社会が持続的に
保健休養機能が高い森林を作り出していくのに資する取り組み、
通称「癒しの森プロジェクト」を進めて行こうとしています。

その構想の中では、地域の方々が自主的に燃材や用材を求め、あるいは
林内作業自体を楽しむことによって、散策や各種林内活動にとって快適な
森林が作られる、ということを想定しています。
そこで、こうした森と関わる可能性のある人々にとって参考となりそうな
データ、つまり森に手を入れれば、どれだけの効率でどれだけのモノが得られて、
その過程(作業)でどんな満足が得られて、林内の景観や快適性がどのように変わるのかを
現実の森を使って実証することを計画しています。
我々は、この森を今のところ「実証林」と仮に呼んでいるのですが、この設計が
なかなか厄介…。
で、関連分野の外部の研究者の方々に来ていただいて、お知恵を借りようと
「癒しの森勉強会」を開催しました。
山梨県環境科学研究所、森林総合研究所から計5人の方に来ていただくことができました。

実際に実証林設定候補地をめぐりながら、林の状態、何が計測できるのかについて
ディスカッションを行いました。

たびたび登場しますが、簡便かつ安全な搬出機材としてロープウィンチの
デモンストレーションをし、実際にけん引の体験もしてもらいました。

最後は、青空ディスカッションです。
実証林の設計について、皆さんから忌憚ないご意見をいただき、計画のまだ
あいまいだった部分や、将来的に問題をきたしそうな部分をあぶりだしてもらう
ことができました。
これまでは高木層の構成の差にこだわっていたのですが、じっさい大差はなく、
施業計画によっては一緒のものとして扱えそうで、その方が、科学的に有効性の高い
実証林分が組めるのではないか、ということが見えてきました。
なお、実証林は、我々研究所だけではなく、外部の研究者の方にも研究の場として利用して
いただきたいと思っています。
興味のある方、あるいはご意見のある方は、
fuji2011アットマークuf.a.u-tokyo.ac.jpへご連絡いただければ幸いです。