湖畔浸水

本日の山中湖:最低11℃、最高17℃、小雨
台風15号は各地に被害をもたらしましたが、山中湖でも各所で
道路が通行止めになっていたりします。
21日の24時間雨量は400ミリ近くあったようで、山中湖の水位はグッと
上がりました。

湖畔広場を見に行ったら、芝生の大部分に湖水が浸水していました。
なんとも奇妙なことに、樹間をカモが泳いでいきます。

ちょっとわかりにくいですが、水面の波紋は魚によるものです。
水没した芝生の上をコイが泳いでいたのです。
何とも珍しい光景です。

また、よく注意してみると、芝生の間から水が湧いているところも
何ヶ所かありました。
期間限定の幻の湧水地ですね。
この一帯の土壌は火山礫で、水がしみこみやすいのですが、こんな風にして
下へ流れてくるのだ、と実感できました。

秋へ

本日の山中湖:最低14℃、最高26℃、晴れ
残暑のニュースが続く毎日ですが、
山中湖では最低気温が10度代、
青々としていた森の色合いが少しずつ変わり始めて、
すっかり秋モードになってきました。

イカルのさえずりがよく響き渡る今日この頃。
なんとも「ゆるい」そのさえずりに和まされます。
アカゲラは相変わらずケッケッと慌ただしく、
カメラで追いかけるのが大変です。

体に似合わず大きな声でさえずるのは、ゴジュウカラ
今日出会ったこの個体は、木の皮を剥いて、
中にいる昆虫を食べることに夢中でした。

久しぶりにリスにも出会いました。

まだ夏毛ですね。赤茶色の毛がつやつやしています。
木の実が落ちるようになったからでしょうか、
姿を一瞬しか見れないことが多いのですが、
今日は5分ほど観察できました。

癒しの森勉強会

本日の山中湖:最低14℃、最高27℃、晴れ
富士癒しの森研究所では、今年から10年計画で地域社会が持続的に
保健休養機能が高い森林を作り出していくのに資する取り組み、
通称「癒しの森プロジェクト」を進めて行こうとしています。

その構想の中では、地域の方々が自主的に燃材や用材を求め、あるいは
林内作業自体を楽しむことによって、散策や各種林内活動にとって快適な
森林が作られる、ということを想定しています。
そこで、こうした森と関わる可能性のある人々にとって参考となりそうな
データ、つまり森に手を入れれば、どれだけの効率でどれだけのモノが得られて、
その過程(作業)でどんな満足が得られて、林内の景観や快適性がどのように変わるのかを
現実の森を使って実証することを計画しています。
我々は、この森を今のところ「実証林」と仮に呼んでいるのですが、この設計が
なかなか厄介…。
で、関連分野の外部の研究者の方々に来ていただいて、お知恵を借りようと
「癒しの森勉強会」を開催しました。
山梨県環境科学研究所、森林総合研究所から計5人の方に来ていただくことができました。

実際に実証林設定候補地をめぐりながら、林の状態、何が計測できるのかについて
ディスカッションを行いました。

たびたび登場しますが、簡便かつ安全な搬出機材としてロープウィンチの
デモンストレーションをし、実際にけん引の体験もしてもらいました。

最後は、青空ディスカッションです。
実証林の設計について、皆さんから忌憚ないご意見をいただき、計画のまだ
あいまいだった部分や、将来的に問題をきたしそうな部分をあぶりだしてもらう
ことができました。
これまでは高木層の構成の差にこだわっていたのですが、じっさい大差はなく、
施業計画によっては一緒のものとして扱えそうで、その方が、科学的に有効性の高い
実証林分が組めるのではないか、ということが見えてきました。
なお、実証林は、我々研究所だけではなく、外部の研究者の方にも研究の場として利用して
いただきたいと思っています。
興味のある方、あるいはご意見のある方は、
fuji2011アットマークuf.a.u-tokyo.ac.jpへご連絡いただければ幸いです。

アルバイト・ヂンスト2011

本日の山中湖:最低17℃、最高27℃、曇り
今年も去年に引き続き、夏季特別開寮で山中寮を運営している
運動会の学生さんたちとの共同作業が行われました。
(去年の様子はこちら
山中寮が出来て以来、学生たちは草刈りなど周りの環境整備に自ら取り組んできました。
これはアルバイト・ヂンストと呼ばれ、現在わたしたちがよく使う「アルバイト」
のもとになったともいわれています。
これはドイツ語のArbeitdienstなのですが、Arbeitは仕事、Dienstはサービスなので、
奉仕作業ぐらいの意味なんでしょうね。
このアルバイト・ヂンスト、昭和60年ごろまであったようですが、
その後行われなくなっていました。
それが、昨年からは、演習林と一緒に魅力ある周辺環境づくりを、ということで
復活したわけです。
今年は、寮中庭におくベンチ、寮内におく本棚、暖炉用の薪棚の3点に挑戦しました。

一番大変な作業は、最初に待ってました。
薪棚の土台を打ち込む作業で、ゆうに50センチ以上、たたき込んで汗ダラダラです。

いっぽう、電動工具を使っての木材のカットは女子でもらくらく。
カラマツの角材はベンチの腰掛部分と薪棚の構造材に、ヒノキの板は本棚に使います。
いずれも本研究所産の木材です。

山中寮の管理人さんも登場。ベンチの土台作りを手伝ってくれました。
土台が出来上がったら、角材をねじで打ち付けて組み立て完了。簡単な作りです。

本棚は、強度を高めるためにちょっとめんどくさい細工を手ノコでしてもらいました。
それでも、これも楽しかったようで、熱心に取り組んでもらえました。
そしてついに、

午後4時過ぎに、一通りの作業が完了。右手奥に見えているのが完成した薪棚です。
去年同様に大工さんにも来てもらいましたが、学生さん4人(午後から+1人)で
よくぞここまで作れたものです。
打ち上げでは、早くも来年は何を作るかで話が盛り上がりました。

本日の山中湖:最低16.7℃、最高25.2℃、曇り
台風6号の後は最低気温が11℃の日もあり、過ごしやすい日々が続いています。
とても暑かった6月が嘘のようです。
今日はどんな鳥に会えるかと朝、林内へ。
天気が曇りとあってか、鳥達の賑やかさは控えめ。
珍しくクロツグミの姿を見ることができましたが、
林内を忍者のようにささと歩き飛び回るので、
残念ながら写真に収めることはできませんでした。

ウバユリが咲いていました。もうそんな時期が来たのですね。
ぐるっと林内を歩き、事務所に戻ってくると、
玄関先にコエゾゼミがじっとしていました。

気温の低さでしょうか、動きが鈍いのでパチリ。

こんな方向からもパチリ。
富士では良く見かけるセミなのですが、
初めて出会った時はこの個性的な模様にびっくり。
見慣れてくると、なかなか可愛らしいものです。
夕方頃になってくると涼感たっぷりのヒグラシが鳴きます。
空気もひやっとしてきます。
標高1000mにいるんだなと思う瞬間です。

夏空の下での実習

本日の山中湖:最低18度、最高31℃、快晴
梅雨も明けて、いよいよ夏本番です。
この真夏の陽気の中、都留文科大学の「地域資源管理・環境保全実習」
が行われました。
今回は、人の働きかけ方によって、植生がどのように変わるのか、
また、その「人の働きかけ」じたいを体験してもらうのが目的です。
昨日は、まずは間伐体験。

間伐の前に、照度計を使って、ほぼ同じ暗さの場所を2か所マーク
しておき、一方の近辺のみ、手ノコを使って間伐してもらいました。
なかなか、手ノコは体力が必要で手間取ったようですが、切り倒す快感は
存分に味わってもらえました。
間伐後、また照度計を使って明るさを計測したところ、間伐したところは、
しないところに比べてほぼ倍の値が出ました。
間伐によって、林床の光環境が大きく変わることが確かめられました。
次は草地植生について。
一口に草地といっても管理の仕方によって植生が異なってきます。
年に4〜5回刈る場所と、1回しか刈らない場所で、それぞれ、
ブラウン―ブランケ法という方法で植生調査してもらいました。

正方形の調査区を設置するのに、三平方の定理を応用してもらいたかったのですが、
みなさんすでに忘却のかなただったようですね(汗)。
草地の植生と人間の働きかけ方について理解してもらった後で、
今度は実際に草刈りにいそしんでもらいました。

このときだけは曇り空になってくれて、お陰で作業がしやすかったです。
面白いもので、鎌で刈るという行為ははまる学生さんが多いようで、
今年も黙々と鎌での草刈りに熱中する姿が見られました。


今日は、間伐材・枝条の有効利用を体験してもらいました。
まずは昨日自分たちが切り倒した間伐材を皮むきしてもらいました。
水を吸い上げている時期なので、面白いようにむけます。

これもやはりはまる学生さん多数。
ツルツル間伐材を使って、シンプルな柵を作ってみました。

「間伐したい」「間伐材ほしい」「うちでも作りたい」
そんな声が飛び交っていました。そう思ってもらえれば本望です。
枝条はチッパーで粉砕して敷材に。

ほかに、無煙炭化器を使って大量の熾き火を作り、そこに
ベーコンとシイタケを詰めたカボチャを投入して丸ごと蒸し焼き。

大成功!そして大好評でした。

最後は、熾き火を七輪に移してBBQで慰労会となりました。
暑い中、ご苦労様でした。

連日30度越え

本日の山中湖:最低気温18.7℃,最高気温31.5℃,晴れ
各地で猛暑となった今日、
山中湖でも30℃を超え、蒸し暑い一日となりました。
6月中旬頃まで暖房を使っていたのが嘘のようです。

夕方になると涼しい風が吹き抜け、
日中とは少し違う鳥たちのさえずりが聞こえてきます。
18時を過ぎてもまだ明るい林内、
キビタキ♂と出会いました。

美声の持ち主クロツグミの歌声も毎日聴くことができます。
なかなか姿を見ることができませんが、
富士の常連です。

空の美しさに魅かれて湖へ。
富士山はすっかり雪が消えました。